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辺見庸 「もの食う人びと」を読みながら食育を考える3


辺見庸・著 「もの食う人びと」 (角川文庫)を読んでいます。

6番目の章「ミンダナオ島の食の悲劇」

10ページ余の文章なのですが、読んだ時のショック、そして後味の悪さと来たら、なんと言って良いのかわかりませんでした。

もの食う人びと (角川文庫)

作者は、元フィリピン軍人だった老人に導かれて、残留日本兵が潜んでいたという険しい地へ向かいます。

そこで、ポツリポツリと話す老人。
当時の日本人残留兵達が食べていたものは……
当然、飢えていたのだろうと思います。

極限の状況にあって、通常の神経ではいられなかったのだと思います。

でも、山には野豚や野鹿がいたと言います。

里芋を手に入れられる環境もあったと言うのに。

それなのに、なぜ……

村人を数十人も食べてしまったのか。

戦争という生きるか死ぬかの異常な状況にあって、飢えるだけ飢えていて、目の前に食料になる肉があったら、私ならどうするだろうか?

胃液が逆流するような気分の悪さを感じながらも考えてみました。

が、いくら考えても結論は出ません。

戦後生まれの私は、死ぬほど飢えたことがないのです。

大勢の人間が鮮血を飛び散らして死ぬところを見たこともなければ、刀や銃を実際に見たこともない。

平和な生活を当たり前のこととして生きてきました。

想像さえもできないほどの、極限の中で、同じ日本人がした行動を責めたら良いのか、同情したらいいのかさえわかりません。

なんだか、考えるのを止めた方が良いと、心の中でブレーキがかかっているような気もします。

でも、現に、「母が、妹が食われました」「祖父が日本兵に食われました」と、証言する村人がいるという事実は、心にとどめておくべきだと思います。

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コメント

No title

こんばんは、夜寝る前に数ページの読書でものすごくショックな場面がでてきたら、寝つきが大変なことになりそうです。

でも、実際に血の飛び散ったナイフを握りしめた人間をみると逆に興味がでて、顔を覆った指の隙間からしっかりみてしまうかもと思います。

雪花 | 2014.07.11 20:36 | URL


Re: 雪花さん

> 雪花さん

なかなかハードな読書でした。
文章で読むだけでも恐ろしいのに、
現実のことだなんてショックでしたよ

くきは | 2014.07.11 23:53 | URL














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